★新着情報★      2024.1〜


 JCJ広島が2024年度総会で 活動方針決定

   「日鉄呉跡地 止めよう軍事拠点計画」

                                       テーマに 学習・交流会開く

 

 JCJ広島支部は5月25日、広島市中区のひと・まちプラザで2024年度の総会を開いた。23年度の活動報告や会計収支報告などを承認し、24年度の活動方針として  今こそ「再び戦争のためにペンをとらない」という合言葉を思い起こし、「反戦・非核」を柱に据えた平和と人権、民主主義のためのジャーナリズムの役割を自覚し、戦争に繋がる一切の動きに全力で立ち向かおう  今そこにある人々の命と暮らしを脅かす重大な危機。眼前で起きているさまざまな事象は根底で繋がっており、どんどんと勢いを増して迫ってくるこの流れにどう抗うか―。問題意識を共有する市民団体との連携の輪を広げ、市民運動のプラットフォームとしての役割を果たす中でジャーナリズムの“復権”を図り、メディアが市民の信頼を取り戻せるよう自己改革を促していこう  今のままでは私たちの活動に未来はない。リタイアした高齢者主体のジャーナリスト集団では先細りは目に見えている。次代を担う会員を迎え入れることは先送りできない課題だ。そのため、まずは現役、中でも若い世代のマスメディア従事者やフリーランス記者など、従来の媒体を超えて多様な発信に取り組む人たちとの接点を増やす必要がある。世代や立場、業態などの違いを超え、社会をよりよくするための情報発信に携わる者同士として、情報の交換・共有などを通し、お互いの能力向上に結び付ける学びと交流の場づくりを積極的に行う―ことを柱に具体的な取り組みを進めることを決定。新年度の役員を下記の通り選任した。

▼2024年度役員

 支部代表幹事   沢田正

 事務局長     井上俊逸

 事務局次長       藤元康之

 幹 事      太田武男、小山美砂、高瀬均、田中伸武、利元克巳、難波健治、羽原幹男、

                                    宮崎園子、宗友正利、山田圭子、山根岩男

    会計監査     岡野峰夫

 

 総会終了後、「日鉄呉跡地 止めよう軍事拠点計画~呉‐岩国‐沖縄‐広島を結び考える」と題したスタディー&セッション(学習・交流会)を会員以外の一般市民にも公開して開催した。オンライン視聴を含め44人が参加。「日鉄呉跡地問題を考える会」の森芳郎さん、岩国の「瀬戸内海の静かな海を守る住民ネットワーク」の久米慶典さん、沖縄からオンラインでうるま市の「自衛隊訓練場設置計画の断念を求める市民の会」の伊波洋正さんと沖縄タイムス記者の又吉朝香さん、「広島パレスチナともしび連帯共同体」の湯浅正恵さんから、それぞれ報告があった後、参加者からの質問や意見を交えて議論を深めた。※報告概要などはリンクの「広島ジャーナリスト通信」に許可を得て転載されている「広島マスコミ九条の会」機関紙を閲覧ください。                                                                                             

                                         (2024.6.6)

  


  職員研修での教育勅語引用の中止要請と質問  

      松井市長に提出

   

    教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしまと日本ジャーナリスト会議  広島支部は2月16日、広島  市の松井一実市長に「職員研修での教育勅語引用の 中止要請と質問」を文書で提出した。

以下はその全文。

 

     広島市長 松井一實様

                         教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしま

                                   共同代表 石原 顕

                        日本ジャーナリスト会議広島支部                                                                                                                                   代        表 沢田 正

 

    私たちは誤った教育によって教え子を二度と戦場に送らないこと、誤った報道によって二度と国民を戦争に駆り立てないことを誓って運動をしている市民団体です。松井市長が職員研修で教育勅語を引用したことに対しては、すでに反対声明を発表しましたが、市長は今後も教育勅語を引用する研修を行うと表明されていますので、改めて中止を求めます。また、市長の研修録画を情報公開請求により入手して検証した結果、疑問点が出てきましたので、質問いたします。

 2月29日までに文書による回答をお願いいたします。

 

 【要請】

 教育勅語は、1948年6月の衆議院の「教育勅語等排除に関する決議」及び参議院の「教育勅語等失効確認に関する決議」によって、既に廃止されています。また、教育勅語には、「皇祖皇宗國ヲ肇󠄁ムルコト・・・」や「天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ・・・」などの国家神道を前提とする言葉が用いられており、象徴天皇制(憲法第1条)や政教分離の原則(憲法第20条1、3項)とも相容れません。したがって、憲法尊重擁護義務(憲法第99条)を負う公務員である松井市長が、公務員の研修に教育勅語を用いることは明らかに誤りであり、今後、職員研修の資料として教育勅語を引用することをやめるよう求めます。

 

【質問】

 過去4年間の研修録画を検証した結果、次の疑問点が出ましたのでお答えください。 

1,市長は引用した英文を例に「民主主義のすばらしいことを書いてある」「英訳するとなんと民主主義 の先端をいくようなもの」(2023年研修での市長の言葉)と絶賛していますが、どういうところが民主主義なのか具体的に説明していません。私たちは単に徳目を列記しているだけと考えますので、市長の見解をお尋ねします。

2,市長が引用された英文は教育勅語のほんの一部であり、この長い文章の結論は以下の通りです。(1907年文部省官訳から)

 should emergency arise, offer yourselves courageously to the State ; and thus guard and maintain the prosperity of Our Imperial Throne coeval with heaven and earth. So shall ye not only be Our good and faithful subjects, but render illustrious the best traditions of your forefathers.

(以下の日本語訳は翻訳アプリDeepLによる)

 緊急事態が発生した場合には、勇敢にも国家に身を捧げ、こうして天壌無窮のわが帝位の繁栄を守り維持せよ。そうすれば、汝らは、わが良き忠実な臣民となるのみならず、汝らの祖先の最良の伝統を輝かしいものとするであろう。

                                     (2024.3.3)

 


  パールハーバーは核ミサイル模型も展示

     平和公園とは真逆の戦争記念館

 

    広島市の平和公園ガイドの人たちがハワイのパールハーバーを視察し、2月2日に報告会が開かれた。潜水艦「ボーフィン」を展示した施設は、沖縄の「対馬丸」撃沈を戦果として誇っていると以前に聞いてショックを受けたが、この報告会では、そこには核ミサイル模型が誇らしげに展示してあると聞いて卒倒しそうになった。説明書きには「新たなコロンビアSSBN(核兵器搭載原子力潜水艦)は2031年までに就役して40年間使用する」とあり、2085年までに次世代型原潜の開発を求めているという。

 

   報告者は「リメンバー・パールハーバーは復讐だけではなく、『油断するな!戦争に備えよ』という意味で使われていると感じた。核抑止の強化こそ必要と訴える施設であり、核兵器廃絶を願うヒロシマとは真逆ではないか」と述べた。

 

    この潜水艦博物館は、平和公園とパールハーバーの姉妹協定の対象施設にはなっていない。しかし、対象施設であり最も有名なアリゾナ記念館のすぐそばにあり、戦艦「ミズーリ」記念館と3点セットの展示という。アリゾナ記念館に行った人たちは、ほぼ必ず立ち寄るわけで、広島市はなぜ平和公園とパールハーバーの「姉妹協定」に同意したのか、疑問がますますふくらむ。

 

   戦争にも原爆にも触れない「姉妹協定書」

   さらにおかしなことには、姉妹協定書には原爆、戦争というキーワードが全くない。「平和と和解の架け橋の役割を果たしていく」「過去から学ぶ事、未来の新たな考えを共有し、多くの人に訪れてもらうという共通の理念を掲げている」など、それらしい表現はあるが、なぜ原爆、戦争という文言を避けているのか。

 1968年に調印した当時のソ連・ボルゴグラード市との姉妹都市協定書には「両市が第二次世界大戦に際し、原爆ないし通常兵器により、人類史上未曽有の戦禍を身をもって体験」「今日の熱核兵器の時代において、重ねて世界大戦の勃発を見るならば、全人類の絶滅をもたらすであろうとの確信もとづき、両市が世界平和達成のために力を合わせて努力する」と格調高くうたっている。

 パールハーバーと平和公園の協定は、これを上回る影響力があると思われるが、原爆や戦争について両者はどのように考えるのか市民には全く分からないまま、「姉妹」になってしまった。おかしなことだ。

 

  原爆投下責任の議論を「棚上げ」

 原爆投下責任の議論は「棚上げ」したとの市議会答弁が問題になったが、根本的な議論をしない以上、空疎な協定になるのは仕方ないことだろう。前述した姉妹都市協定では、市議会で長時間審議し、議決までしているのに、今回は昨年6月22日に発表して1週間後の29日に調印している。しかも、姉妹公園を持ちかけてきたのは米国政府であり、G7サミット期間中に調印したいと執拗に要請していたことも広島市が開示した文書で明らかになった。

 発端は4月6日、在大阪・神戸米国領事館から広島市の国際化推進課にかかった電話だった。

―平和公園とパールハーバーがシスターパーク(姉妹公園)となるように話を進めたい。これは米国政府の意向である。理想としては、G7で署名したい。

 8日後の4月14日には米国のリチャード・メイ・ジュニア総領事と広島市の阪谷市民局長らの協議が行われた。

 

(広島市、以下・広) 協定を結ぶのは誰の発案か。

(米国側、以下・米) オバマ大統領の訪問後に始まったが具体化されなかった。今までは話だけ、しかし   

 今回は大統領が来るので良い機会である。

(広)2017年10月にホノルル広島県人会のミヤオ会長から、第二次大戦はパールハーバーで始まり広島で   

 終結したという話があった。その翌年にミヤオ会長が来広されたときも話をして、それから話がなかっ 

 た。

(米)オバマ大統領の広島でのスピーチ、安倍元首相のパールハーバーでのスピーチの内容は似通ってお 

 り、我々は相互理解を通じ平和を達成しようという同じゴールを共有する非常に近しい間柄になってい  

 るというものだ。平和公園とパールハーバーの姉妹公園提携は、これをさらに強化するものになると考

 えている。最も重要なことは、未来の世代を啓発し、若者が過去を理解することであり、我々は教育を

 重視している。相互に協力し、展示や教育を通じ、戦争が意味するもの、戦争の恐ろしさ、どのように

 戦争を回避すればよいのかを若者によりよく示すことができる。

(広)協定の内容、今回の目的、中身をどうするかだ。若者への教育、未来志向の中身にするかなど、その  

 協定の中身をパールハーバーや広島市民が納得できるものであることと、それが当初思い描いていた和

 解の象徴、日米の友好関係を資する内容になっているかどうかということ。そこまでこの数週間で行う

 ことの技術的な困難度をどうクリアしていくかだと思う。

 

 このやりとりからは、姉妹公園は、オバマ大統領の広島訪問時から米政府内では検討されていたことが分かる。そして、広島市側は、米国側の提案に当惑している様子もみてとれる。両方の市民が納得できるものを数週間の協議で行うことの困難さを指摘している。

―平和記念資料館であればセキュリティーが確保されており、メディアも厚真米国の前のめり姿勢はさらに強くなり5月11日の協議では、

―G7広島サミットの開催を背景として行われる姉妹公園提携の世の中に与えるインパクトは大きい。

りやすい。

―調印者はブリンケン国務長官やエマニュエル大使など、出席できる最も位の高い政府高官にしてもらうことを考えている。

 

 5月19日から始まるサミットの直前まで平和記念資料館での調印を、ブリンケン国務長官らの名前まで挙げて要望している。しかし、サミット前日の5月18日に松井市長は「サミット期間中の協定締結は見送る」と伝えた。その理由について市長は最近の記者会見で、日程調整を米側に任せていたが、「直前になっても連絡が来なかった」と述べ、サミット会期中の協定締結について、「日程調整できれば構わないと思っていた」と語っている。

 

広島原爆の免罪符にする思惑?

 米国はなぜサミット中の調印を望んだのか。広島原爆の免罪符にしたかったのではないか。ロシアのプーチン大統領はウクライナとの戦争で核兵器を使うこともあると威嚇して、国際社会から強い批判を浴びた。それに対してプーチン大統領は「最初に原爆を使ったアメリカに批判される筋合いはない」との強弁をしたが、これは正論でもある。

 

 核戦争を防止するには、世界最大の核兵器保有国である米国が、広島、長崎原爆を誤りと認め、核兵器を廃絶すると宣言すればいいのだ。しかし、サミットで岸田首相が発表した「広島ビジョン」は、ロシアなど核兵器は悪であるが、米国などの核兵器は「それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべきとの理解に基づいている」という核抑止論を被爆地から世界に発信した。

 

 もしパールハーバーと平和公園の姉妹協定調印がこの場で行われていたら、両者は戦争を乗り越えて「和解」し「未来志向」の関係をつくるという一見、美しい物語が、広島ビジョンとともに世界を駆けめぐった。広島が核抑止を認め、ロシアのような国が存在する限り核兵器は必要だとするG7の主張にお墨付きを与えることになったのではないか。

 サミット期間中の調印は行われなかったが、米国大使館に松井市長が出向いて調印された。米国側が第2案として出していたのが「東京の大使公邸で行う独立記念祭の場での締結式」だった。

 

 パールハーバーと平和公園の姉妹協定は、①米国政府が強く望み米国主導で進められた②戦争や核兵器廃絶に取り組む熱意が感じられない―という、おかしなことを抱えている。「仲良くするのはいいことだ」と安易に受け止めずに、市民の監視と調査が必要だ。日本政府の関与についても調べなければならない。さらに、日米の対中国軍事同盟が強化されるなか、日本に核兵器を配備する計画も裏では進んでいるのではないのか。私の妄想であってほしいが、広島市の平和行政の変質と岸田首相の大軍拡政策をみると、邪悪なうごめきが始まっているのではないか。杞憂であってほしいのだが…。

                                        (藤元康之)

                                    (2024.3.3)

 


   原発は気候危機対策を妨げる

   ―FoE JapanがCOP28成果文書批判 

 

 地球規模での環境問題に取り組む国際環境NGO=Friends of Earthのメンバーとして日本で活動するFoE Japanは昨年12月13日、ドバイで開かれた第28回気候変動枠組条約締約国会議(COP28)成果文書の採択を受け、「原発は気候危機対策を妨げる」との見解を発表した。原発回帰に舵を切った日本への批判とも読み取れる、その見解(概要)は次の通り。

 原発はその膨大なリスクとコスト、計画から稼働までの期間の長さなどを考えれば、気候危機対策として有効でも現実的でもない。世界の発電量に占める原発のシェアは下落し続けている。原発の多くが国有もしくは補助金などの公的資金により推進されているにもかかわらず、原発のコストは上がり続け、価格競争力は全くなくなってきている。さらに建設期間も長期化する傾向にある。

 ウラン採掘から燃料加工、稼働、廃炉、核廃棄物の処分に至るまで、環境汚染や人権侵害がつきまとうことを考えれば、原発はグリーンでもクリーンでもなく「気候正義」からはほど遠い。

 米国や日本を含む一部の国が「2050年までに世界の原発の発電容量を3倍にする」と宣言したが、3倍にするのは現実とはほど遠い。

 原発を気候危機対策として位置づけることは、本来の対策である化石燃料削減や省エネ・再エネの促進から目を背けさせるだけでなく、固定的で初期コストが高い原発の導入は再エネや省エネの促進を妨げる。

気候危機を回避するための、都合のよい魔法の技術は存在しない。

    化石燃料の段階的廃止、先進国の抜本的なエネルギー需要削減、及び持続可能な再エネの促進こそが真の気候危機対策になる。原発をはじめとした「めくらまし」に時間と資金を費やす余裕はない。

                                    (2024.2.1)